米Motorola傘下の米Metrowerks社は,Linuxをベースとしたソフトウェア・プラットフォーム「OpenPDA」をMotorola社のマイクロプロセサ「i.MX1」に対応させる。Metrowerks社が米国時間7月1日に明らかにした。これは,次世代のPDA/スマートフォンの開発を狙ったもの。同プラットフォームとプロセサの組み合わせにより,開発者は設計サイクルと製品の市場投入までの時間を短縮できるという。
同社が発表した「OpenPDA Development Studio for Motorola i.MX1」により,無線デバイス作成に必要なカーネル,デバイス・ドライバ,アプリケーション,ミドルウエアの手動による統合が必要なくなる。開発スイートには, BSP(Board Support Package),Linux OS,ドライバ,ミドルウエア,システム・パフォーマンスと信頼性に向けて最適化されたアプリケーションが収録される。また,設定,開発,配備に関わるタスクを容易にするために設計された直感的なGUIベースの開発環境「Metrowerks Platform Creation Suite」も提供する。
「MotorolaとMetrowerksは,Linuxオペレーティング・システムをベースとした次世代無線製品の作成に向けて,強力なハードウエア,ソフトウエア,ワールドクラスの開発ツール,サービスを組み合わせて提供する」(Motorola社 Wireless and Broadband Systems Groupの副社長兼ジェネラル・マネージャのFranz Fink氏)
OpenPDAは,設計者にマルチメディアPDA,ハードウエア,ソフトウエア・ソリューション,またゲーム,マルチメディア・プレイヤ,音声録音,イメージ・ビューア,同期,Java技術といったアプリケーションのホストを提供する。同製品は,ユーザーにカレンダ,電子メール,アドレス帳,テキスト編集プログラムなどを含むPIMスイートを提供する。同プラットフォームは,Linuxカーネル,複数言語ユーザー向けTrolltech Qt Embeddedインタフェース,Jeode Java Virtual Machine(JVM),WebブラウザOperaを収録する。
高性能プロセサであるi.MX1は,インテリジェントな周辺機器,ARMプロセサ・コア,電源管理,マルチメディア機能を提供する。デスクトップ同期,ユーティリティ,モバイル・ネットワーキングなどの拡張機能も収録される。
OpenPDA Development Studio for Motorola i.MX1は,7月にリリースが予定されている。
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